★テトラオドン・ムブの飼育について・・
最近、フグの飼育方法で特に大型フグ「テトラオドン・ムブ」の飼育についてのお問い合わせが
多くなりましたので、かなりおおざっぱではありますが、ここに少しばかり記載しておこうと思います。
他の福犬ページ同様、独断・偏見・自己流てんこもりで書いていますので、あくまでご参考程度に
お読みいただければ幸いです。<(_"_)>
飼育環境
成長に合わせた飼育のツボ
メンテナンスと費用
その他の特徴と混泳について
★飼育の前に
熱帯魚を飼った経験がない方には絶対にお勧めしません!!
フグに合わない管理方法をしてしまうと、徐々にかわいそうな結果になってしまいますので、他のフグを飼って経験を積んでから飼ってください。
体が大きく体力もある分、逆に長い間苦しむことにもなりますので、大型種を飼うのが不安だなと迷ったら飼育はやめておきましょう!
衝動買いはもはや問題外です、自転車を買いに行ってうっかり車を買っちゃうくらい計画性のなさを露見しているようなものです。
後々の手間と費用を考えてください、でも、もし衝動買いをしてしまったら、いざという時引き取ってくれる場所を確保してください。
水槽が大きいということは日常的な水替えも大変ですし、トラブル解決のための手間(機材の故障、交換・濾過槽の分解など)も大がかりになりますので、
ちょっとおっくうだと思っている間にみるみる悪化してしまうことが多いようです。
飼育相談で時々あるのが「大きい水槽を置くスぺースがないので小さく育てたい」「お金がないので大きい水槽が買えない」などですが、
その答え、前者には「ムブは大型種です、小さくは飼えません。他の小型フグを飼育してください」後者には「将来飼育のための予算がないなら飼わないでください」です。
冷たいようですが、その後ムブが狭い環境で苦しみながら死んで行くまで数か月間見続けることになりますので、
どうか身の丈に合った飼育を心がけてください、お願いします。<(_"_)>
※飼育の基本についてはあえて触れません。
pH、濾過槽などの用語が判らない方は、ここ以外に初心者向けに書かれたやさしい
サイト様がありますので、そちらで飼育の基本を身につけてください。
★飼育環境
●水槽
最低でも120p×45pです。これ以上なら安心して飼えます♪
●水質
弱アルカリ性 pH7.5以上をキープできると理想です。
7.2以下の水質が長く続くと水槽底で寝てばっかりとか
ちょっと元気がないようです。ろ材に大粒サンゴを
ひとつかみほど入れるとそのくらいの数値になります。
●水温
25〜27度 徐々に水温が上がる場合は30度くらいまでなら耐えられます。
急激な水温の変化は後々、原因不明の死亡(内臓疾患など)になるケースが多いようです。
水槽内に水温のムラがないか、水替えをながらチェックしてみるとよいかと。
特に冬場は要チェックです。
●濾過槽
大型用のものなら何でもOK。オーバーフロー、外部式、上部式の順におススメです。
幼魚のうちは小型水槽に外掛け式でもいけますが、汚れやすくなってきたらすぐに
大きめの濾過槽に買い替えて下さい。
特に良く食べ、よく出すのでなるべくなら大型用2個併設か
もしくはワンランク大きい容量のものがおススメです
●照明
特にいりません。
水草を一緒に育てる(たぶん無理だと思いますが)のでなければお部屋の照明だけで十分です。
余り強力なライトを付けるとかえってイライラするようなので、
隠れ家に入れないサイズに育ったら、ライトは外したほうが無難かと思います。・・背中熱そうですし。ww
●ヒーター
大型用のものを2本設置すると安心です。
水槽が広くなると水温のムラができやすいので、左右に1本づつ置くと良いかと。
・・ヒーターに顔を付けたまま寝てしまわないように、カバーも付けてあげてください。
●水流
少し強いほうが好みですし、白点病も付きにくいようです。
大型水槽では上下で温度差ができやすいので、水面から下に向けた水流を作って全体を撹拌すると
ムラができにくいでしょう。
●酸素
きっちり蓋をしていると、時々酸素が足りなくなるのか微妙に苦しそうな時がありますので
できればシャワーパイプで水面をたたくか、デフューザー設置をおススメします。
●餌
基本、何でも食べますが、好き嫌いは激しいです。
小さいうちは赤虫、イトメなどが好きですが徐々に人口飼料になれさせないと
後で餌代と掃除が大変になりますので覚悟してください。(笑
生餌ではアサリなどの貝類が特に好みです。犬のように尻尾を振って大喜びしますので
時々おやつ程度に与えてください。茹でたものだと水も汚れにくいです。
●底砂
目の細かい、角の丸いものが良いでしょう。
洗う際に手でかきまわしてみて痛くないものがおススメです。
そんな砂には気持ちよさそうにもぐって寝ることもあります。
大きくなったら汚れの原因にもなりやすいので、砂は無しでも良いです。掃除しやすい環境にしましょう。
★成長に合わせた飼育のツボ
●幼魚
5〜10pの間は45〜60p水槽で十分です。
最初からあまり広すぎると手入れが行き届かないこともありますので、
フグのサイズに合わせて水槽も徐々にサイズアップして行くと飼いやすいです。
そして大きくなるにつれてご主人様の心の準備もできるかと思われます。(笑
子供のうちはジャンプ力が強いので、必ず蓋をしましょう。
強力なフグダンスでうっかり外へ飛び出してしまわないように気を付けてください。
元気が良すぎて蓋に頭をぶつける子もいますが、その場合は少し水面を下げた方が無難でしょう。
●若魚
大体20センチ越えたあたりからでしょうか、力が強くなってきますので、遊びで機材を破壊されたりしないように気を付けてください。
人懐っこいため、水槽正面を気にしている(ご主人様を観察しているww)ことがい多いので、
特に水槽正面に付けられた水温計などは、ついついかじってしまうようです。(笑
下唇になにかが触れると、反射的に飲みこむしぐさをしますので
それを利用して人工飼料に慣れさせることもできます。
ピンセットでつまんだ餌をムブの下唇に軽く当てると、
好き嫌い関係なくとりあえず口に入れるっぽいです。
下唇で餌付け動画→
●成魚
デカイです。笑顔もフグダンスも大迫力です。(汗
3〜4年で50pは軽く超えますので水槽と電機代と心の準備を怠りなく。
この頃にはきっと、飼育方法やメンテナンスのパターンなどももう出来上がっていると思いますので、
後はのんび成長を楽しみながら、一緒にフグダンスしてあげたりして過ごしてください。
・・唯一気をつけるのは、間違っても指を噛まれませんように。甘噛みでも痛いです。。(;´д`)
★メンテナンスと費用
自分限定のやり方なので「へー。そうなんだー」くらいに読み流してくださいませ。<(_"_)>
◆水替え
週一回、120p水槽の半分くらいまでバケツで汲みだして取り換えてます。
その際に、ガラスのコケ取りとフィルター吸水口に取り付けたスポンジも洗います。
◆うんこ拾い
子犬のようなうんこ出します。(笑
そのままろ過に頼っていても、なかなか消えないですし、水も汚しますから
見つけ次第取り除きます。私は60pのビックサイズのスポイト(シーガルスポイト)で
吸い取っていますが、貝やカニなどが混ざった硬いうんこは吸いとれないので
ロングネットで拾ってます。
◆濾過槽
うちは外部式2個併設なので2カ月に一回くらい。
少しでも汚れが取れてないなと思ったら、1か月以内でもまた掃除し直し、
水質測定したり、ろ材を変えたりしています。
◆餌やり
水が汚れないように大きなピンセットでひと粒づつ食べさせいます。
今現在体長60pでビックキャトを朝5粒、夜3粒とシメにクリルを一個づつ、これが主食。
その他に、ちょくちょくおやつとしてクリルを与えてます、フグダンスをキメてこちらを見てる時や
おもちゃを転がしてる時や、目が合ってこちらに反応した時など。
そんな風にいつでも遊び相手をしてやると、さらに人懐っこくなるし、ムブも退屈しないみたいです。
ちなみに、体が大きくなると顔もデカイので、目の直前に落とした餌は
がんばって寄り目にしないと見えてないようでオロオロしてます。・・そこがまた萌えのツボですが。
◆水質測定
特に定期的にやっている訳ではありませんが、ちょっといつもより元気がないかな?という時や、
体に変調があった時は測ってみます。
そんな時pHが下がり気味の時が多いので、濾過槽だけ掃除したりしています。
掃除の際は水の臭いもチェックしておくと、いつもと違う臭いで汚れに気がつくので便利です。
◆費用
月の電気代は・・・夏場と冬場で倍くらい違います約3〜4千円アップ。(厳寒地の東北限定
他の水槽もあるので実質は六千円くらいアップしているのですが、ムブ水槽だけだとそのくらいかと。
クーラーがなくても良い分、まだ安上がりかもしれませんが・・山奥なので夏でも30℃以下です♪
水代はあまりかかりません、お風呂一回分よりははるかに少ない量ですので気にしない!
餌代は4カ月に一回クリルを6缶まとめ買い(¥4700)ムブ・ハリセンボン共同購入です。
ビッグキャットは一袋¥2050で大体3〜4カ月はもちます。
◆設備費
120p水槽で¥19800くらいですが通販だったため送料¥3000かかりました。(汗
濾過槽はエーハイムクラシック¥12000・エコL¥9800くらい。
ろ材はリングプラス1L¥1600・エーハイメック2L¥1000・スポンジフィルター¥250
サブストラットプロ5L約¥5000・サンゴ砂¥300分
ヒーター2本\4000とサーモ¥4500。水温計¥230ですが2個割られたので×3
これで約6万ちょい・・・・けっこう高いですね。「(^^; )
◆その他の費用
成長に合わせて45p・60p水槽やその濾過槽、アクセサリーなど結構かかりますよ。(汗
他の魚を買ったことのある方なら、空いた水槽を利用したりすれば抑えられるかと。
うちも空き水槽が5本ぐらいあるので、順繰りに使っています。古くなったらOF用濾過槽に大変身ww
★その他の特徴とか混泳について
●膨らんだ!
フグだから、膨らみます。でも私的には良い兆候とは思っていません。
体調が良くない時や、水が汚れている時には膨らむようです。
一回くらいなら気にしませんが、何度か続くようなら水質チェックと掃除をしてください。
うちの歴代ムブ(計3匹・フグダスに出ていないムブが一匹います)では、
子供のころに1回だけ膨れましたが、その後はありません。
●ムブが目をつむる
これも良くないです。
特に水質が悪い時に辛そうな顔して瞬き(皮膚の中に目がめり込む?)するようです。
相当汚くなっている時、水槽の底でじっとしててムギュゥゥ・・とつぶる感じです。
水槽移転した後や、濾過槽が詰まっていた時に何度か現れました。ごめんよムブちん。。orz
●背中にニキビ
ニキビのようなおできのような・・広い背中にある毛穴?(針の穴?)
のようなところに2〜3mmの白い塊がポツンと現れます。
これも水が軽く汚れたときに頻発するようです。特に大人になってか
らは目立ちます。本人(本フグ?)的には気にしていない様子ですが、
生餌を与えた後や掃除がいつもより遅れた時に出やすいようなので、
多めに水替えをしています。
そうすれは大体3〜4日で消えてなくなります。
●あくびをする
萌えのツボです。(笑
寝起きに見られるカワイイしぐさに萌えたぎりますねー♪
特に健康には関係ないので、たっぷりじっくり鑑賞しましょう。
画像に撮っておいて、後でニヤニヤしながら眺めるのもまた乙かと。。(オイ
●混泳について
おすすめしません。狭いので。。
2m超えの広い水槽に余裕で飼ってペアリング・・なんて夢のようなステキ環境で飼える方は別として
普通の120〜180p水槽だと狭くてかわいそうです。見ていて疲れますし。
時々「一匹じゃかわいそう」と言う方もいますが、フグ的には一匹暮らしで寂しがることはありません、
むしろ他の混泳魚がいなくなったとたんに「せいせいしたー!」といわんばかりに
元気になることのほうが多いです。(汗
フグ同士や中型魚との混泳は窮屈ですが、ムブが相手にしない小魚(メダカ・ランプアイなど)なら
気にならずに同居できます。でもムブの背中をつつくような気の強い小魚はNG。
・・そして時々数が減ったりしますが、主役はムブですから気にしない方向で。。(汗
●ムブの性格
ムブの性質については凶暴で他の魚を襲う・・というような事を聞きますが、
私的には全く逆で、内気で超ヘタレだと感じています。(笑
小魚につつかれてビビりまくり、部屋の電気を点けただけで逃げ隠れ、水槽に見慣れないものを入れる
と後ずさり。(汗 ザリガニや貝などを豪快にバリバリ食べる姿は凶暴そうに見えますが、それはご飯の
ときだけで他の魚に対しては、うっかり口の前を通った時にちょっと吸いこんで見たら美味しかったよ♪
程度です。(謎 大型種なので、水槽内でちょっと暴れるとすごい迫力ですが、ただの寝返りだったり
ウンコふんばってただけだったりで、他のフグのように掃除中、手に襲い掛かってくるようなこともありま
せん。
性格的には温和でとても扱いやすく、とってもよく懐いて表情豊かなムブですが水槽が大きいので、やは
り日常の世話は大変な所もあります。良い機材をそろえて管理のしやすいシステムで水槽を作り上げる
か、体力勝負でいつでも水替えができる方にはぜひムブの魅力を堪能して頂きたいと思います。
私的に要約すると大型魚飼育には、金をかけるか手間をかけるかどちらかだと思っております。
・・ちなみにあたしは貧乏アクアリストなので後者です♪(笑
それでも家族のようなものですから、フグ予算は節約しながらも楽しいフグライフを満喫していますよ♪
お店でムブを見かけたら、ムブ自体が安くても、その後の管理に結構な手間と経費がかかることを
よく考えた上で、ご購入を検討してみてください、よろしくお願いいたします。<(_"_)>